育休を取得しやすい会社の見分け方、くるみんマークで判断できること

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会社の制度として育児休暇(育児休業)が用意されていても、現実には雰囲気的に取得しづらく、結局会社を辞めてしまうケースもあります。
形ばかりの制度ではなく、実際に取得されているのかを判断する材料として、くるみん認定企業かどうか確認してみるという手があります。

まだ、あまり馴染みがないように思えたので、くるみんマークとは何か、なぜ育児休暇が実際に取得されていると判断できるのか、社員のメリットを中心に調べてみました。

育児休暇と、くるみんマークの関係

くるみんマークとは

「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。

(厚生労働省のサイトによる「くるみんマーク」の説明より抜粋)

認定マークは、「くるみんマーク」と「プラチナくるみんマーク」の2種類あります。
プラチナくるみんマークは、くるみん認定後にも継続して取り組みを続けている企業を認定するマークです。

くるみんプラチなくるみん
 

「くるみん」という愛称は一般公募で選ばれたもので、赤ちゃんを優しく暖かく包む「おくるみ」を表していて、「会社ぐるみ・職場ぐるみ」で子育てをサポートしようという意味が込められています。

どのように認定されるかというと、次世代育成支援対策推進法に基づいて計画策定し、計画に記載した目標を達成、さらに一定の基準を満たした企業が申請を行うことによって認定されます。

次世代育成支援対策推進法とは、少子化対策として子育てしやすい環境を作るために、国、地方、企業としてどのように取組、実現させていくかを推進する法律です(平成27年3月31日までの時限立法)。
社員301名以上(平成23年4月1日以降は101人以上)の企業は行動計画を作成し、厚生労働省へ届出する事が義務付けられました。

育児休業取得率が75%以上であることが認定条件

子育てサポート企業を認定しているマークですから、育児休業の取得に関する条件が入っています。
分かりやすいのは、次の2つ

・計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であること。
育児休業等取得率の計算:計画期間内に育児休業等を取得した者の数/計画期間内に出産した者の数

・計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者が1人以上いること
社員300人以下の企業の場合には、子供の看護休暇や、時短制度の利用、育児目的の休暇制度の利用などでも代替可能

育児休業の取得実績が75%というのは、結構高いと思います。(4人に3人は取得していることになりますから)
それ以上に難しいと思うのは、男性に育児休業を取得してもらうこと。
日本の企業文化的に、まだまだ男性が育児のために休むというのは抵抗があるでしょう。
ですが、男性が育児にかかわるというのは、女性社員が育児休暇を取りやすくする、その後の職場復帰をしやすくするためには、必要だと感じています。

以前、一緒にお仕事をさせていただいた会社が、共働きの家庭が多く男性も積極的に育児にかかわる文化でした。
子供を保育園まで送っていったり、熱を出した時に奥さんと交替で休みをとって病院に連れていったりが当たり前でした。
働くママの苦労を実感しているので、育児休暇の取得や復帰後の時短勤務などにも理解がとてもありました。
先輩ママ社員に「こういう時どうしている?」なんて相談を、上司の新米パパ社員がしている場面もありました。

くるみんマーク認定企業で働くメリット

育児休暇(育児休業)が取りやすい

認定条件に「育児休業取得率が75%以上」とあるので、育児休暇が取りやすい社風ができていると判断できます。

三重県の労働局が発表している、子供のいる女性社員を対象とした「育児休暇が取りやすい環境だと感じているか」というアンケート結果を見ると、認定企業と非認定企業では8.1%の差がありました。
また、「出産・育児を理由とした退職者が減少した」と答えた人事担当者は、15.8%の差がありました。

育児休業がとりやすい環境にあると思う
300人以上行動計画策定・くるみん認定 :84.7%
300人以上行動計画策定・くるみん非認定:76.6%
100-299人行動計画策定        :60.4%
100-299人行動計画未策定       :53.0%

出産・育児を理由とした退職者の減少
300人以上行動計画策定・くるみん認定 :58.3%
300人以上行動計画策定・くるみん非認定:42.5%
100-299人行動計画策定        :48.7%
100-299人行動計画未策定       :30.1%

参考資料:くるみんは、子育てサポート企業の証です。

山形労働局のくるみん認定を受けた企業(25社)向け調査では、「育児休業利用者の増加が8件」と制度の利用促進に効果があったことを示す結果がでています。
参考サイト:認定企業9割が「効果を実感」 山形労働局が”子育てサポート企業”にアンケート

女性が働きやすい会社

くるみんマークの認定を受ける企業側のメリットは、大きく3つです。

  • 企業イメージの向上
  • 社員の定着率の向上
  • 税制優遇

ですが、認定を受けるための労力やコストを考えると、それほどメリットがあるとは思えません。大手企業では認定企業が増えたことによって、企業イメージ向上の効果はないとする意見もあります。

平成28年3月末時点で、くるみんマークは2,484社、プラチナくるみんマークは79社が認定されています。
認定企業、少ないですよね。

そんな労力をかけて、認定された企業から読み取れることは、次の3つだと思っています。

  • 女性を戦力として考えている会社
  • 女性が長く働くことでメリットがある会社
  • 人事制度に積極的に取り組める会社

女性を戦力として考えている企業でなければ、育休をとってまで長く働いてほしいとは思わないでしょうし、人事の力が弱い企業であれば、この制度に取り組む予算が取れないでしょう。
人事制度に積極的に取り組める会社は、これからも柔軟な働き方に合わせた制度を取り入れていけるので、結果として働きやすい会社になると思います。

また、くるみんマーク認定条件の中には、次のような条件もあります。

・ 3歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じている。
・次の1~3のいずれかについて成果に関する具体的な目標を定めて実施していること。
(1)所定外労働の削減のための措置
(2)年次有給休暇の取得の促進のための措置
(3) 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他の働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

これらの条件は、残業の削減や有給の取得しやすさにつながり、育児休暇を取りたい女性以外にもメリットがあります。

くるみん認定企業の探し方

くるみんマークの認定がないから育児休暇が取りにくいとは言えませんが、取りやすい企業を判断する一つの目安にはなると思います。

厚生労働省のサイトから探す

こちらのサイトから、認定されている企業を調べることができるので、参考にしてください。

くるみん認定・プラチナくるみん認定企業