IT業界の会社といえば、長時間労働でブラックなのが当たり前。
そんな業界で、残業が少なくワークライフバランスがとれるホワイトな企業なんてあるわけないと思っていました。
でも、探してみると意外にある!
「平均残業時間が、こんなに少ない会社があるんだ!」と、びっくりすることも。
IT業界でも、残業時間が20時間~30時間以内のホワイト企業は増えているんですね。
転職するなら、長く働けそうなホワイト企業を一緒に探してみませんか?
IT業界のホワイト企業の事例
残業が少ない会社が増えていると言われても、自分の周りにホワイトな会社がないと、なかなか実感できないですよね。
厚生労働省もIT業界の課題は長時間労働だとしています。
IT業界では、他の業種と比較して、年間総実労働時間が長く、週の労働時間が60時間以上の雇用者の割合が高い産業です。
引用元:IT業界の現状と課題
そんな長時間労働を改善して、ホワイトになった企業がいくつかあります。
厚生労働省の働き方・休み方推進の事例として紹介されているIT業界の企業が、どのくらい残業時間を減らしているのか、見てみましょう。
参考サイト:IT業界の働き方・休み方の推進
事例:SCSK株式会社
SCSK株式会社は、「第1回 働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で最優秀賞(厚生労働大臣賞)の大企業部門を受賞したこともあり、多くのメディアで「働き方改革」の成功事例として取り上げられています。
3年間で全社平均残業時間を月30時間から18時間16分に、有給休暇取得率を66.7%から97.8%にまで改善した
引用元:〔SCSK株式会社〕事例:業界の常識を覆し、「働き方改革」に成功した3つの要因
残業時間を20時間まで減らし、有給取得率を100%近くまで引き上げたというのだから、すごいですよね。
事例:東京海上日動システムズ株式会社
GREAT PLACE TO WORK が発表している「働きがいのある会社ランキング」で、2009年から毎年20位以内(2018年は14位)にランクインしている東京海上日動システムズ株式会社。
残業時間という形で成果が記載されていないので、ちょっと難しいのですが、月間労働時間を15%減らしたと解釈しています。
・働き方改革に取り組んだ2016年度は、チーム平均稼働率は118%でマイナス15%を実現。
・2017年度は、1ヵ月160時間の10%を自己成長・チャレンジに使うため、効率的な働き方の実現に取り組んだ。
参考資料:東京海上日動システムズ株式会社 炎の早帰り
15%減らしたと言われてもピンとこないので、こんな感じで計算してみました。
東京海上日動システムズは、所定労働時間が7時間と少なめです。
1ヵ月を20日で計算すると、月の所定労働時間は140時間。
月の所定労働時間に2015年度のチーム平均稼働率を掛けると約186時間(140*1.33)、月の平均残業時間は46時間。
1月の場合だと約221時間(140*1.58)、月の残業時間は81時間!!
多いですね。
15%減らした2016年度で同じように計算してみると、約165時間(140*1.18)、月の平均残業時間は約25時間。
2016年度の1月の数値は記載されていなかったので単純にマイナス15%で計算してみると、約200時間(140*1.43)、月の残業時間は60時間。
60時間は多いけれども、80時間と比べると20時間も減らしたことになります、すごい!
※新卒向けの採用ページに記載されていた残業時間が、「平均すると20~30時間程度」と書かれていたので、だいたい合っていそうです。
事例企業の残業時間
事例として上げられていた各社の2017年の月平均残業時間を調べてみました。
会社名 | 従業員数 | 所定労働時間 | 月平均残業時間 |
株式会社HDC | 377名 | 7時間45分 | 14.0時間 |
東京海上日動システムズ株式会社 | 1,360名 | 7時間 | 20~30時間程度 |
スミセイ情報システム株式会社 | 1,414名 | 7時間10分 | 16時間 |
SCSK株式会社 | 11,910名 | 7時間30分 | 17時間47分 |
株式会社KIS | 283名 | 8時間 | 22.9時間 |
三菱ケミカルシステム株式会社 | 630名 | 7時間45分 | 約25時間 |
株式会社ビッツ | 249名 | 7時間45分 | 17.8時間 |
どの企業も20時間前後まで残業時間を減らしています。
また、各社の従業員数をみると300名前後の中堅企業もあり、大企業以外でも多くの企業が取組んでいることが分かります。
株式会社HDCは本社が北海道、株式会社KISは熊本というように、地方の企業の事例もあります。
東京海上日動システムズ株式会社は、他の企業と比べると残業時間が多いように感じますが、所定労働時間が短いので月間労働時間にすると、他社とそれほど変わらないと思います。
事例となっている企業を調べていて驚いたのが、すべてSI(システムインテグレーター)企業だったこと。
同じIT業界にいる者としては驚きです。
一口にIT業界といっても、企業向けにシステムの受託開発・運用・保守を行うSI企業、ネットビジネスを手掛ける事業会社、SI企業や事業会社にプログラマーを派遣する企業(人売り)のように分かれます。
SI企業は、受注する段階で開発するシステムの仕様が固まっていなかったり、新しいIT技術での開発だったりすると、プロジェクト開始時点の予想より開発にかかる時間が増えることが多々あります。
でも、お客様の納期はずらせず、人もすぐには手配できない、そのため長時間労働になるケースが多い。
それでも各社色々な工夫をして、残業時間を減らしていました。
やればできるということですね。
IT業界のホワイト企業の選び方、探し方
企業や職種の選び方
厚生労働省の事例はSI企業でしたが、SI企業の中でも受注元により種類が分かれます。
企業から直接仕事を受注する一次受けと、一次受けから仕事を受注する二次受け、三次受けといわれる下請け企業があります。
下請けの場合、一次受けの企業がブラックだとその煽りを受けて長時間労働に巻き込まれる場合があります。
私も下請けで入ったプロジェクトで、自分の仕事が終わったので22時に帰ったら、翌日から他のチームの仕事を回されて、毎回終電だった事がありました。
SI企業を転職先として選ぶなら、できるだけ一次受けの会社を選びましょう。
同じ理由で、プログラマー派遣の会社もできるだけ避けたほうがいいでしょう。
事業会社は、ホワイトのところもあればブラックもあり、一概にどちらとはいえません。
求人票に書かれている残業時間などを参考に判断するようにしましょう。
また。IT系の仕事であれば、IT業界の企業にこだわらないで転職先を選ぶ方法もあります。
社内SEという職種です。
IT業界以外の企業の中にいは、自社のシステムを管理するシステム部を持っているところがあります。
その中でホワイト企業を探して転職すれば、IT系の仕事をしつつワークライフバランスが取れた働き方をすることができます。
転職エージェントで探す
地方や中小企業でもホワイト企業が増えてきているとはいっても、まだまだ数は少ない。
大手企業のほうが残業時間が少なく、ワークライフバランスが取りやすいところが多いです。
そういったところの求人は、大手・中堅の転職エージェントが持っている場合が多いです。
IT専門でなくとも大手・中堅の転職エージェントならそれなりの数、IT系の求人を保有しています。
規模の小さな転職エージェントでもホワイトな求人をもっている場合もありましたが、紹介してもらえる数は少なかったです。
転職サービスを受ける前に、ホワイトな求人を持っているか聞いてみることをお勧めします。
せっかく面談にいっても、紹介してもらえる求人がなければ、時間の無駄ですから。
どの転職エージェントを利用するとしても、「平均残業20時間程度のホワイトな会社」を希望条件にいれましょう。
「そういう企業は少ないんですよね」とたいてい言われますが、探してもらうとそれなりにあるものです。
リクルートエージェント
業界トップの求人数を誇る転職エージェントです。
特に、他のエージェントと比べると大手・中堅企業の求人が多い印象です。
保有求人数が多いこともあり、残業時間20時間~30時間の求人をすんなり探してきてくれました。
転職サポートの申し込みはこちらから
リクルートエージェント
DODAエージェント
業界2位の求人数を持っている、転職エージェントです。
大手もそれなりにありますが、中堅企業のほうが多い印象です。
こちらも残業時間20時間~30時間の求人を、たくさん紹介してもらえました。
転職サポートの申し込みはこちらから
業界最大級の求人数と豊富な非公開求人!/doda
@typeエージェント
IT業界で首都圏の転職に強い転職エージェントです。
ベンチャーから中堅、大手までそろっています。
リクルートエージェント、DODAと比べると数は少ないですが、探してもらうと残業時間が少なめの求人が出てきます。
自社に都合の良い求人もまぜて紹介してくることがあるので、残業時間など確認することをお勧めします。
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typeの人材紹介
ワークポート
IT業界に強い転職エージェントです。
こちらもベンチャーから中堅、大手までそろっています。
他と比べると自社に都合のいい求人を紹介する傾向が強く、押しも強いので、個人的にはあまりお勧めしないのですが、求人数はあります。
意外に大手もありました。
「IT系でホワイトな企業は、ほとんどありません」と難色を示されることがあるかもしれませんが、探してもらいましょう。
紹介された求人の情報を鵜呑みにせず、残業時間など確認することをお勧めします。
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ワークポート
転職サイトで探す
転職サイトで探す場合は、残業時間で検索できるサイトを選ぶと、希望する求人を探しやすいです。
最近では、ブラック企業を心配する転職希望者が多いので、残業時間や社風など記載している求人も結構あります。
リクナビネクスト
20代~40代、50代と幅広く求人があります。
IT系の求人も多いです。
こだわり検索から「月平均残業時間20時間以内」や「17時までに退社可」「年間休日120日以上」などの条件を指定して、求人を検索できます。
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マイナビ転職
20代~30代の転職に強い転職サイトです。
IT系の求人もたくさんあります。
こだわり検索から「残業月30時間以内」「原則定時退社」「年間休日120日以上」のなどの条件を指定して、求人を探すことができます。
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